とある年の2月上旬。僕は、宮城に向かっていた。
嫁の祖母が亡くなられたので、葬式に出席するために向かっていたのだ。
俺「ここが杜王町か。」
言ってる場合ではない。
スデに家に出る時に財布が無くて30分位探してしまった。
しかも何故かトイレにおいてあった。
一体前日の僕はトイレで財布を何に使ったのだろう。摩訶不思議アドベンチャーである。
さらに言えば、嫁の祖母の葬式のため、スデに嫁は実家に帰ってしまった。
新婚にして「実家に帰らせてもらいます!」イベントの発生だ。欝になる。
っていうか、俺は極度の方向音痴。略してうんちなのでヤバイ。
もうフラグが立ってる。今にして思えば、簡単なことだった。どう考えてもうまくいくはずがない。
どう考えても…。
嫁「いいか!松島海岸からは代行バスじゃねーと移動できねえ!!
そこでヌケサクのお前のために車を用意したッ!ありがたく乗れッ!」
俺「イエス!ユアマジェスティ!」
松島海岸まで行けばいいとか。なんというヌルゲーwww
いくら俺でも電車を間違えない限り余裕だぜ!
空気を吸って吐くことのように! HBの鉛筆をベキッ!とへし折る事と同じようにッ できて当然だッガハハ!!
嫁「仙石線に乗って、最終駅の一歩手前が松島海岸駅だから。
いくら頭脳がマヌケな貴様でもドゥー・ユー・アンダスタン? 理解したか?」
俺「イエス!マイロード!」
俺「ボタン式の電車か…。このたおがいた鶴見とかいう町ではヤンキーしか居なかった…。」
そうして電車でボケーッとしていると、なにやら高校生が、銀魂のジャスタウェイについて熱く語っている。
どのくらい熱く語っているのかというと、30分ジャスタウェイについてのみ語っていた。
なんだこいつら…。どんだけジャスタウェイが好きなんだ。ステマか?
そんなこんなで、気づいたら終点だった。
愛子駅だった。
しまった!一駅逃したか…。たしか終点の一つ前が松島海岸駅だったはず…。
いや…待てよ。お、おかしい!何かがおかしい。
俺がかつて来たとき…。こんな駅…あったか?
なんてことはない。乗る電車を間違えたのだッ!HAHAHA!
仙石線じゃなくて仙山線に乗ってた。
つまりこの位置である。
これはひどい。
真逆だ。
崖に激突して死ぬツバメがいるそうだ……
そのツバメは得てして他のツバメよりも
とても上手にエサを捕獲したりするのだが…
宙返りの角度の危険の限界を親ツバメから教わっていないため、
つい、無謀な角度で飛行してしまう。
だが、その親は教えてないのではなく、
そのまた親から教わっていないので教えられないのだ。
彼ら一族は短命は事が多く、なぜ事故にあいやすいのか気づいてさえもいない。
オレは短命だったな。
とうおるるるるるるるるるるるるるるる
ぶつッ!!
嫁「着いた?こっちはもうちょっとで松島海岸駅に着くよ。」
オレ「…。助けてください!」
嫁「へ?」
オレ「大佐!愛子駅に着いてしまった!指示をくれ!」
嫁「どこ。それ。おまえ舐めてんの?」
オレ「…。」
嫁「もう間に合わないから車引き返す。自力で辿りつけ。落ち着いて行動しろ。以上。」
オレ「素数を数えて落ち着」
嫁「死ね」
後に車を運転していた、嫁の叔父?はこう語る。
「いや。マジでお前の嫁怖かったよ。」
KUSO!全部ジャスタウェイのせいだ!いや爆弾のせいにするのはよくない!
うおおおおお!まだ間に合う!!
全身全霊をつくしましょう!!!!
そして2時間後…。
間に合わなかったゾ☆
小便はすませたか?
神様にお祈りは?
部屋の隅でガタガタふるえて命乞いをする心の準備はOK?
や、やべえ。ま、まさか、遅刻とは…。
いったいオレはどうなってしまうんだ…。
嫁の親族(両親除く)と初対面だというのに…。この体たらく。
亡くなられたお婆さんに申し訳がたたぬッ!
野郎…面白くなってきたぜ…!!