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顔面ブルーレイ

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アレは寒い夜だから明日を待ちわびてどんな言葉でもいいよ誰か伝えてって感じの日だった。

彼女の誕生日だった。

オレは当時の愛車「アルト(ボロい)」に乗っていた。
そのアルト(ボロい壊れそう)に乗り、渋谷のSEIBUに向かったのだ。

ちなみにその頃の僕はペーパーを脱して数ヶ月のカス運転レベルでした。
後にこのことを、会社の先輩に語ったら

「渋谷のSEIBUの駐車場に…初心者が…無謀…馬鹿w」

と言われました。うるせー。
まあ、10回も車ぶつけてる貴様に言われたくは無いのですが。
とにかく、そのくらい初心者には高難易度の駐車場なのです。

オレ「ふ。今日は君のためにとっておきのディナーを用意したよ…。」

彼女「へー。」

感激のあまり、携帯から目が離せない彼女!
ココまでは完璧だぜ!!あとはこのSEIBUから出庫してあの場所に向かうだけだ!!

あの場所へ…あの場所へ行きさえすれば…!

だが、すんなり事は進まない。それが人生というものだと、オレはこの時思い知った…。

ガリガリッ!!!

ガ、ガリガリ君はソーダ味以外認めない!そんなことを考えていたら大変なことに!
あろうことか…横のレクサスに擦った。

あばばばば\(^o^)/

やっチッたァァァァーーーーーッ!

オレ様顔面ブルーレイ!!

彼女「なんか変な音したけど」

オレ「ガ、ガリガリ君の亡霊じゃないかな」

まあ、その場でやる気なさそうなチャリに乗った警察が来るまで待つ僕ら。
やる気無そうに、警察も「ああ。これはないわー。車庫から出すだけでこれはないわー。」とか言ってた。なんだとボケ。

どうやら、後で持ち主から電話が行くというのでとりあえず開放される僕ら。
遅れて着くは、予約していた品川プリンス。

オレ「…」

彼女「あ、ありがとう。元気だしなよ。」

そして運ばれてくるサプライズケーキ。
そして、タイミングを見計らったように

鳴 り 響 く 電 話

とおおるるるるるるるるるるる
とぉるるる…
ぶつッ!!

オレ「もしもし、はいたおです。」

レクサスの持ち主でした。
平謝りの僕。
怒り狂う持ち主。
苦笑いの彼女。
そして、このタイミングで灯るろうそくとケーキ。
空気を読まない従業員。

カオスすぎるだろ…。

こんなカオスな状況の中、唯一僕は正解の行動を取っていました。
それが任意保険に入っていたことなのです。

これで保険入ってなかったらもう、目も当てられない。死んだほうがいい。

まあ、何が言いたいかっていうと、慣れないことはするな。ってことだぜ。