かつて親父は俺にこう言った。
「おまえはまだ『青』二才…。俺は『金』…。これが圧倒的な力の差だ」と。
そう、俺は「緑」からようやく『青』になったというのにッ!!
『金』であるあの男はこの俺を見下しやがったのだッ!
そして苦節10年…。もう、イジけた目つきはしていない…
俺の心には、さわやかな風が吹いた……。
俺に黄金の精神が芽生えたのだッ!!
…いや。何かっていうと免許ですよ。免許。
16才で原付の免許をとり、26才にしてようやく『ゴールド免許』になった訳ですね。
言うならば緑の初心者は「サイバイマン」。
金は『超ベジータ』くらいの差があるのだよ。
まさに免許のエリート王子。40過ぎて俺は超ロリータだとか息子の前で言っちゃうレヴェルですよ。
この10年…。ゴールドの道は険しかった。その歴史を振り返りたいと思う。
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★16歳
ベスパを乗り回す同級生を見て物欲の鬼となった僕。
早速学校サボって原付の免許を取りに行った。
落ちた。44点で。ちなみに合格点は50点満点で45点以上。
★16歳その2
ベスパを乗り回す同級生を見て物欲の鬼となった僕。
どうしても諦められない僕はさらに次の日もう一回学校サボって免許とりにいった。
49点で受かった。やったー!
だが一日目に偶然クラスメートのKの野朗も来ていて、二日目に学校サボった僕に気づき全てを理解。
何故か俺が原付免許を落ちたことが世間に知れ渡り、しばらく便器に吐き出されたタンカス的存在として生きていくことになる…。
★16歳その3
友人のIに7万借りて原付をゲット。
その名も「ライブDIOZX」。
さあ、奇跡の黒歴史の
★17歳
原付盗まれた。
★17歳その2
レッツⅡ購入。正直ZXよりはマシだと今は思う。
★17歳その3
原付盗まれた。
★17歳その4
道に横たわっていた我が「ライブDIOZX」発見。
シート部分にプリクラと手紙が添えてあった。
「ちょりーっす!この原付いらねーんならくんねーっすか?ボロイからただでくれっす!!この
夏彼女(プリクラでちゅーしてた)と結婚するんで!二人乗りで毎日つかいたおしてやるっす!!四露死苦!!」
燃やした。
★17歳その5
左折禁止で2点減点。ば、馬鹿な。俺のゴールドの夢が…。
★17歳その6
マフラー盗まれた。
★17歳その7
マフラーもらった。
★19歳
免許が青になったよ!やったねタエちゃん!!
★19歳その2
悲しみを乗り越えた。もう俺は初心者(緑)ではない!!
もう原付はいらない。少年に風が吹いた。
『普通自動二輪免許取得者に俺あなる!!』
免許教習の初日に原付で50kmで走ってたら捕まった。(2点減点)
★19歳その3
ある日自宅の駐輪場に行くとそこには原付の「タイヤ」が『二つ』だけ置いてあった。
あなたならどうする・・・?最悪だった・・・。
★19歳その4
わーい。見極め落ちたよー。
★19歳その5
『実技試験を一発で合格する』……『筆記も一発で合格する』
自動二輪ときに両方やるというのは、そうムズかしい事じゃあなかったぜ!余裕ッッ
★19歳その6
湘南純愛組を読破していたこの俺は『XJR』を購入!!
だがよく考えたら鬼塚が乗ってたのは「ゼファー」だった。
XJRはモブキャラのなんか名前もなさそうな微妙なキャラが乗ってた。
★22歳
免許更新。青だった。あたしってホント馬鹿…。
★23歳
車の免許ゲット!
★24歳
辞めた会社の同期から車(アルト)もらう。
XJR売る。(0円)
GN125買う。
★25歳
車が「ネイキッド」になる。アルトは下取りした。(0円)
★26歳
そして、ついに!ついにッ!!
ゴールドへ…。
どう考えても10代の頃が足引っ張ってた。