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オラこんな町嫌だ

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最初に手に入れたバイクは俺が高校二年生のとき。
ライブディオZXとかいう中学生に大人気の頭パッパラパーな糞ガキが好むバイクだった。

俺は何故これを買ったのか未だに理解に苦しむのだけどなんか買ってた。
しかもこのバイク、中古で買ったんだけど45kmしか出ないという糞っぷり。
しかも半年乗ったらマフラーに穴空いてうるせーの。

でも一番最初に買ったバイクだからね。大事に乗ってたんですよ。
完全に糞なんだけど大事にしてたんですよ。
そんな中、事件は起きた。

盗まれた。

鍵かけてたのに。
朝高校行こうと思ったらないでやんの。
マジ泣ける。今思い出しても泣ける。
ドラえもんの「おばあちゃんの思い出」くらい泣ける話である。

しょうがないから一生懸命バイトして二号機「Let’sⅡ」とかいう原付買ったんですよ。
なんかよくババアが乗ってるやつ。
もう「ビーストモード」とか発動させれるくらい大事にしようと思った。

前の原付の分も大事にしようと思った。
盗まれた。

おいおいおいおい。まさかの展開だよ。
買ってから一月って。
なんなのこの地域の治安。馬鹿なの?ふざけてんの?

マジ泣ける。今思い出しても泣ける。
クレヨンしんちゃんの「嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」くらい泣ける話である。

まあ、今回は鍵差しっぱなしだったんですけどね。
そんな悲しみに打ち震えもういっそグレてやろうか。
尾崎豊の野朗責任とれや。ふざけんな馬鹿。お前一人で盗んだバイクで事故って死ね!
と責任転嫁をしていた最中、知人Dから朗報が!

D「なんかおまえの原付あったけど」

俺「マジかよ。超やべーじゃん。」

あまりにも興奮した俺は瞬時に現場へ向かったのだった。
そこにあったのは懐かしき我が『ZX』。
なんという懐かしき原付!ああ!なんという数奇な運命!

けど、なんかよく見たら紙が貼ってあった。
その紙を恐る恐る覗いてみるとこう書かれていた。

『やっほー!僕は近辺に住んでる17才ピース✌
突然なんですけどー。この原付乗ってないなら500円で売ってください♥
こんなところにあるよりも僕と彼女が乗ってあげた方がいいと思うんだよね☆
といわけでここに連絡してね!090**********
僕と彼女のプリクラ貼っておきます(笑)』

17分割に切り裂いた。
こんなこと見せられて頭に来ねえヤツはいねえッ!ってか500円ってッ!!
だがさすが俺だぜ!
こんなフェラチオみてえな顔した女連れられててもなにもくやしくなんかないぜ!
くそっ!死ね!7回死ね!!!

そんなこんなで復活した我がZX。
それは新たな悲劇の序章に過ぎなかった。
ドラクエで言えばバラモス倒したあたりだった。

マフラー盗まれた。

なんか、高校行こうと原付にエンジンかけたんだよ。そしたら
「ブオオオオオオオオオバゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴドドドドドドドグシャーッッーーーー」
とかなんかジョジョの擬音みてえな音が鳴ってさ。
よく見たらマフラーねえでやんの。

もう汗でマフラーがついてんのかついてないのかもよくわからないよ。パトラッシュ。
さらに悲劇は止まらない。

おっす!オラたお!
なんか俺と同じくZXに乗ってるヤツが純正マフラーいらねーってんでもらって付けたんだけんども
今度はある日突然動かなくなっちまった!
オラぶったまげたぞー!
次回!ドラゴンボールZX!
「なんかZXの中枢部分のパーツ根こそぎパクラレタ」
俺は怒ったぞー!ヤムチャ!!

き…切れた
ぼくの体の中で なにかが切れた…決定的ななにかが……!
こうしていい加減付き合ってられないと判断した僕は、ZXを手放し中型二輪免許を取って『XJR400』→『GN125』とマニュアル車に乗ることになったのだった!!

しかし、よく考えてみるとオートマバイクというよりも
この住んでる地域が糞過ぎる気もしてきた。
長年住んだがこの土地には別れを惜しむ情もわかねえぜ。