あの日のAVソムリエの家での記憶~もしかしたら僕は異世界の扉の前にいたのかもしれない~

前奏曲~プレリュード~

今思えばあれは異世界転生のチャンスだったのかもしれない。
そう、おっさんに何故か流行ってるらしいスライムになったり、無職が転生したりするアレだ。
多分終わってるおっさんはもう異世界転生するくらいしか逆転できないので、なんか流行ってるのだとこの俺は分析する。
今じゃ大流行している異世界転生だが、当時高校生だった僕は気づきもしなかった。

哀歌~エレジー~

僕は散髪に行くときにわざわざ地元に帰って馴染み深い美容院で髪を切る。
美容院とは心の所作 心が正しく形を成せば想いとなり 想いこそが実を結ぶのだ。
やはり髪とはいえ、肉体の一部。

多少は心を許している人間に切ってもらいたいものである。
なので、高校生の頃から通っている美容院を今更変える気がしないのだ。
そんなふうに、たまに地元に帰ると変化に気づく。

例えばこの山田がどうたら言ってる基地外みたいな記事に書いた場所。
うんこをした場所が消滅していたのだ。

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くそ。俺と山田の思い出のホームセンターが…思い出したら腹たってきた。
あのクソガキどもは今頃成長し…嫁ができ、子供ができ…そして無職になって離婚して落ちぶれてればいいのに!
そう呪いの言葉を吐き出す僕は、ひとつのことを思い出していた。

そのホームセンター跡地は何故かドン・キホーテというこの世すべてのヤンキーと読み替える事もできる魔窟と化していた。
川崎のドンキホーテが出来たときなんて、当時の僕の愛車XJRで向かったところ、ヤンキーが店内の漫画を勝手に持ってきて座ってワンピースを見ていた。
15人位がヤンキー座りで仲良くワンピースの感想を言ってた。

「俺も3刀流…いってみるべ!」
「あ?俺だべ?」
「あ?」

とか心温まる会話をしてた。
急いで帰ろうとしたらバイクで立ちごけした。

くそ!ドンキホーテなんて作りやがって!ろくなもんじゃねえ!!
ヤンキーと怒号を思い出したせいで一つ封印していた記憶が呼び起こされてしまった。

ワイ「そういえば…あれはなんだったんだろう。未だに何がなんだかわからない。」

間奏曲~インターリュード~

あれは俺が高1の頃のことだ。
同級生のKにAVを借りていたのだが、あのカス急に返せとか言ってきやがった。
それはもうすごい剣幕だった。

K「今日!今日なんだ!俺は今日アレを使えなかったらおまえを殺してしまうッ!!」

 

なんだこいつ。
こいつこの若さで殺人を犯しても構わないほどの凄みを見せてきやがって…。
なにがコイツをそんなに突き動かすんだ…。

今となってはAVソムリエと遜色ない私だ。
やつが言いたいこともわかる。
なんか突然見たくなるし、それを使用できなければ世界を滅ぼしかねない気持ちになる。

そういうことだったのだろう。

K「いいか!このクズ野郎!3ヶ月も借りやがって!俺の葵みのりを今日俺の家にもってこい!でないとおまえを殺す!」

おまえの葵みのりじゃないし、ついに殺害予告だ。

マジで殺りかねない目をしてきたのでしかたなくやつの家に持っていくことにした。
やつの家は先程言った山田うんこホームセンター、即ち鶴見と言う名の地獄にできた魔窟ドン・キホーテの近くにあった。

僕「ちっ。なんでこの俺がこんなことせにゃならんねん。ワイはこの後これを返してどう生きていけばいいんや」

怒り沸騰の僕は仕方なくやつの家のチャイムを押した。

狂詩曲~ラプソディ~

すると、こんな答えが帰ってきた。

チャイム「ああああああ!!?殺すんぞんだrんしおdなんだmだま!!!!!!」

!!!!?

ファ!?こ、殺すしか聞き取れなかったんだけど。殺す!?
なんだアイツ。我慢できずに怒りの戦士スーパー勃起人になっちまったのか!?

僕「い、いや。俺だよK。例のぶつを持ってきたんだ。落ち着けよ」
チャイム「なおぢあsdんぱsぢdふいだh!!!!!!!!!!今からぶっ殺しにいくかそあおんぢおあんだ!!!!!」

や、ヤバイ!!何かわからんがマジで殺される!!に、逃げろ!!!

逃げた。
な、なんなんだあいつ…。
人とは性欲であそこまで豹変するものなのか?やばすぎだろ。
そしたら携帯に電話がきた。Kだ。ま、まずい。俺を追い詰めて始末する気か?

K「おい。早く持ってこいよ!もう10分過ぎてるだろ!」

 

!!!!!?

えー。普通。普通のKだ。
おまえがさっき烈火の如くいきなりキレ散らかしたんやろがい!

僕「い、一応聞くんだけどおまえの家ってあのホームセンターの横のマンションで○○○号室だよね?」
K「そうだよ!はやくしてマジで!マジで!」

 

どんだけオネイニーしたいんだよこいつ。
いや、家の場所あってるんだけど…。
なんだろうあれはおれの幻聴だったのか?それともナメック後で応対することがこいつの家のしきたりか何かなのか?

僕「い、一応聞くんだけどおまえの家ってなんかヤベーやつ今いない?」
K「はぁ?バカヤロ!俺以外にいたら今全裸なわけないだろ!ナメてんのか!!」

 

おまえがナメてんのか。
こいつなんですでに全裸なんだ。いや、そもそもなんで全裸なんだ。

俺は全裸のAVソムリエの家にAV持ってこうとしてたのかよ!!
もう一回行ってみた。

チャイム「てめええええええええええええええええのだぢおあおpkdsぽcdぱっぽdcんdcc!!!!!!!!!!!!!!!!ああああ?AAAAAAAAAAAAAAAAAAA1!?!?」

 

だめだ!!!逃げる!!!

鎮魂曲~レクイエム~

僕「すみません。Kさん。マジで勘弁して下さい。今ホームセンターで泣いてるので取りに来て下さい。お願いします。」

こう電話で伝えたところ、3分でいつものKが来て葵みのりの騎乗位が激しいAVを持って帰った。

K「まったくよ。また全裸にならなきゃいけないじゃねえか。家までもってくりゃ秒で開始できたのによ!」

恨みつらみを述べていたKを尾行したところ、先程チャイムから怒号が聞こえた家に帰宅してた。

終曲~フィナーレ~

俺が押したあのチャイムは本当にKの家に通じていたのだろうか?
もしかしたら異世界に通じていたのではないだろうか。
今思えばあれは異世界転生のチャンスだったのかもしれない。

だが、僕はあの異世界は御免被りたいね。
だって絶対あのまま待ってたら釘バット持ったヤクザみたいなのが出てきて撲殺されてたもんね。